デビューアルバム『The Look Of Love』からわずか4ヶ月あまり、グレース・マーヤ2ndアルバムは、新宿の地で40年の歴史を刻んだジャズバー「DUG」の最後を締めくくる歴史的なライブアルバムとなった。
2006年12月25、26日の2日間にわたって行われたライブレコーディングでは、前作「The Look Of Love」にも参加の小沼ようすけ、T-SQUARE坂東慧、河野啓三をはじめ、一曲目のRoute 66ではなんと日野皓正がスペシャルゲストで参加!
息子の日野賢二、ベテランサックスプレイヤーの村岡健などを迎え、現在のJAZZシーンをリードするメンバーが集まった奇跡的な夜となった。
また今回は5.1chマルチチャンネルにてレコーディング。
開場の拍手の音や歓声、ミュージシャンの息遣いまでもがリアルに収録され、グレース・マーヤの真髄であるライブならではの迫力をより身近に感じることができるアルバムに仕上がった。
グレース・マーヤ(vo,p) 日野皓正 (tp=1) 村岡 健(sax,cl,hca,etc=7-10) 小沼ようすけ (g=1-7) 日野“JINO”賢二 (el-b=7-10) 鳥越啓介 (b=1-6) 河野啓三 (kb) 坂東慧 (ds) Recorded Live at "DUG.Shinjuku", on December 25 & 26,2006
<HMV レビュー>
鳥越啓介(b)日野賢二(el-b)という、対極的なベーシストを使い分けた二つの持ち味を持つ本作は、ジャズが持つ伝統的な要素と、いつも時代の最先端を行く要素の二つを含む注目すべき作品。
日本人ジャズヴォーカリストにとって致命的な英語の発音も全く違和感がない。3曲目のドイツ語も上手くこなしている。
何よりも英語の歌詞が心に響いてくる。⑦から始まるポップチューンも見事な持ち味を生かしているし、かえって後半のほうが彼女の個性が引き立っているところもある。
⑨でピークまで盛り上がり、しっとりと歌う⑩も多くの歌手達の名唱に臆することなく歌う挙げている。
英語の発音に独特の癖を感じるが、それも聴いていくうちに彼女の個性に順化していく。
4ヵ国語を操るジャズ・ヴォーカリストのライヴ録音盤。日野皓正、小沼ようすけ、日野“JINO”賢二、鳥越啓介らを迎え、スタンダードを衒いなく聴かせる。溌剌としたスウィングから甘いバラードまで自在に歌い分ける表現力はさすがで、本人によるピアノも巧み。(有)(CDジャーナル データベースより)